令和元年8月3日(土)に本学で開催された「サイエンスプロジェクトfor琉球ガールズ」のラボツアーにエネルギー環境工学コースの末吉先生と一緒に技術部も参加しました。
このイベントは女子中高生に工学分野の不思議さや面白さを体験してもらい、工学に興味を持ってもらおうという趣旨でものラボと工学部附属工作工場で実施しました。
実施テーマ:「目指せメカジョ!工作機械でモノづくり!」
「メカジョ」とは機械工学系分野の女性の学生、技術者、研究者等を指す言葉で「メカニカルエンジニアリング女子」の略です。
製作課題:「メカニカルペンケース」
本体とケースカバーの2つのユニットで構成し、本体は工作工場のマシニングセンター、ケースカバーのアクリルパーツはものラボのレーザーカッターで加工した後に本体に組み立てて完成させます。カバーを開くと歯車が回転して力が伝動し、リンク棒で歯車の回転運動をピストンの直線運動に変換する仕組みで、機械工学の要素を取り入れたペンケースを設計して作ってみました!
CADモデリング 末吉先生の研究紹介
はじめに末吉先生が研究紹介を行った後、受講生自身が3D CADでペンケース本体のモデリングを行い、完成した本体モデルにケースカバーのアクリルパーツモデルを組み立てていきました。時間の都合上、組立のモデリングは最後までは出来ませんでしたが、パソコン上で部品同士の結合や組立手順を考えることが出来る3D CADの世界を体験してもらい、午後からは加工を行うためのデータ作成を行いました。
CAMの加工シミュレーション アクリルパーツ
まず、アクリルパーツの3Dモデルからレーザー加工用のDXFデータを作成して実際にレーザーカッターで歯車の加工を行いました。次に、3DモデルからCAMでマシニングセンター用のNCプログラムを作成しました。NCプログラムは作成工程を体験するだけとして、実際のマシニングセンターでの加工は対話型プログラムというものを使って行い、対話型プログラムを組む際に必要な2D図面を3Dモデルから作成する方法および機械図面の書き方に関しても少し勉強してもらいました。その後、工作工場に移動して、マシニングセンターでペンケース本体の加工と工作工場の紹介を行った後、ものラボに戻り組立作業に入りました。
各色2セットずつ用意したアクリルパーツから好きな組み合わせを受講生が選んで、タップによるネジ切りをアクリルパーツに行い順次組み立てていきながら、並行してケースカバーへのレーザー彫刻(名前や好きな文字)と旋盤によるハンドルのネジ下穴加工も行い、受講生達は世界に一つだけの自分オリジナルのペンケースをそれぞれ完成させました。
ネジ切りと組立作業 ネジ切りと組立作業
今回は3D CADによる設計から始まって、各工作機械による部品の製作、組み立て仕上げ調整作業までのモノづくりの流れを一貫して体験してもらいました。0から1を生み出す苦労やただの素材が部品になり、それらを組み合わせて完成品になる達成感や楽しさを感じてもらい、モノづくりおよび関連する工学分野の学問への興味関心を少しでも持ってもらえたら嬉しいです!!