【R3-No.14】研究紹介:琉球諸語発音に対するアラインメント手法と特徴発見

 言語発音には時間と位置の違いによる変化が見られ、その変化情報は生活様式や文化の変遷を含むと言われています。従来言語学者の知識によるところが大きかった言語学分野の研究は、モダンな自然言語処理手法の適用が試みられています。本研究では、発音変化を定量的に解析するためのアラインメント手法と、変化パターンの特異性を抽出するための拡張n-gramを開発しました。
 同じ言葉に対する地点による発音の差異を明らかにするために、塩基配列などの解析に使用されているシーケンスアラインメントが用いられています。Levenshtein距離の適用に始まり、距離の重み付け方法として個々の発音の特徴を舌の位置や唇の形などによって表現する音素素性を用いたもの、自己相互情報量(PMI:pointwise mutual information)を利用し記号対の重みを更新しながらアラインメントする手法などが提案されています。琉球諸語の発音特性を考慮した上で、発音記号を音素素性ベクトルとして表現し、PMIに対してベクトルに対応するする拡張を施した手法を提案したところ、高い正解率を獲得しました。


図1 提案アラインメント手法により生成した系統ネットワークの例


工学科知能情報コース・教授 岡﨑 威生


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