【R4-No.7】研究紹介:沖縄県の伝統木造住宅における構造性能評価 





工学科建築学コース・教授 カストロ ホワンホセ
 
1 . はじめに
 沖縄県内の伝統木造住宅は、釘を使用せず木材のみで部材同士を接合させる木組みや、地震動等に対して柔軟に変形することで対抗する貫構造といった伝統工法が使用されている。これら文化技術継承のためには「伝統木造住宅の経年劣化を考慮した地震や風に対する強さを検証する構造性能評価が必要」となってきた。
2. 木材残存強度を用いた構造性能評価  
 経年劣化した部材(柱や梁)の強度を把握するために非破壊による応力伝播速度法を用いて、それら部材の強度測定を行なった。これらの測定値を用いて限界耐力計算を行うことにより、対象伝統木造住宅 の耐震性能や耐風性能をより正確に計算することが可能となった。  
3. 常時微動測定による構造性能評価  
 建築物は平常時でもそれぞれ固有の揺れ方(固有振動数)で揺れているが、台風や地震などの外力により構造部材が損傷するとその固有振動数が低下する。そこで維持管理の一環として定期的に常時微動測 定を行うことで、対象建築物の構造性能状態の損傷の状態や変化を知ることができ、補修などを効率的 に行うことができる。
4. 今後の展開
 これまでの研究を通して、材料劣化や構造劣化を考慮した実測値を用いた「簡便な構造性能評価法を 提案」することができた。今後、広く沖縄県内の伝統木造住宅、いわゆる古民家の耐震補強にも本構造性 能評価法を役立てることが可能であると考えている。さらには首里城再建後の維持管理にも本研究手法 を「県内で完結できるモニタリング技術」として活用可能であると期待されている。
常時微動測定の様子
台風により影響を受けた建築物の例

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