【R4-No.13】研究紹介:大気腐食環境評価と腐食モニタリング

工学科 エネルギー環境工学コース・教授  押川 渡

 沖縄県は四方を海に囲まれ高温多湿かつ過酷な塩害環境であるが故に,鋼製の建造物(橋,道路,鉄塔)やライフラインを支えている電気,水道,ガスなどの設備等は,常に「さびとの戦い」です。鉄は自然環境下において,安定な状態である元の酸化物に戻ろうとします。したがって,錆びる(腐食する)運命にあり,その速度をいかに遅くするかが防食ということになります。

 大気環境下においては,降雨だけでなく,塩分と湿気による薄い水膜の下で起こる腐食反応を捉えることが重要となります。

 ACMはFeとAgの異種金属接触腐食センサ,EISは二電極間に交流電圧10mVを印加し,高周波(10kHz)と低周波(10mHz)の差分が腐食の抵抗に相当します。したがって,抵抗が小さいと腐食が進行しやすいことを意味します。RCMは,電気抵抗値の変化から腐食による減肉量が推定できます。

 これらの腐食センサを用いて鋼構造物のメリハリのある適切な維持管理への適用を検討しています。さらに水溶液中,土壌中の腐食防食への展開も検討しています。

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