【R8-No.1】研究紹介:接着継手の界面端部に生じる特異応力場の簡便解析法の開発

宮﨑 達二郎 (琉球大学工学部工学科機械工学コース・教授, t-miya@cs.u-ryukyu.ac.jp)

 近年,接着は性能・軽量化・環境適応性を高める革命的なアプローチとしてさまざまな分野で取り入れられているマルチマテリアル化を支えるキーテクノロジーとして注目されています.接着は異種材料の接合に優れています.しかしながら,接合界面端部には無限大に発散する特異応力が生じ,接着剤が有する理想的な強度に達する前に接着接合材を界面破壊に至らしめるといった重大な解決すべき課題が残されています.

接着界面端部の力学状態はき裂の応力拡大係数に相当する特異応力場の強さ(ISSF)で代表することができます.図1は接着層厚さを変えながら行った丸棒状突合わせ継手の引張試験結果を(a) 応力,(b) ISSFで整理したものになります.破断応力は接着層厚さによって変化していますが,ISSFは接着層厚さに関係なく一定となり,その有用性が確認されます.

ISSFは有限要素法(FEM)で直接求めることはできません.接合界面端部に形成される特異応力場は界面部形状や材料組合せによってさまざまですが,本研究室ではそれらのISSFを簡便に求めることができる解析法の開発に取り組み,解決されていない接合問題に挑戦する予定です.

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