【R6-No.1】研究紹介:各種めっき鋼材の暴露試験による耐食性評価

琉球大学 工学部 工学科 エネルギー環境工学コース・助教 藤橋 健太

鉄鋼材料は、ほとんどのインフラ構造物で使用され、めっきや塗装、溶射などの防錆処理皮膜を形成した状態で使用されています。そのため長期間、安全・安心なインフラ構造物とするためには、防錆処理皮膜の耐食性を評価する必要があります。そこで、100% Zn, 5% Al-Zn bal., 55% Al-Zn bal., 100 % Alの4種のめっき鋼材について、全国6か所で10年間の暴露試験を実施し、腐食減量により耐食性を評価しました。

各種めっき鋼材の腐食減量を図1に示します。めっき鋼材を比較するとアルミニウムを多く含むめっき鋼材ほど腐食減量が少ないことがわかりました。また、海に近い*1ほど腐食しやすいことがわかり、この海の影響はアルミニウムの少しの添加で大幅に軽減できることがわかりました。そのため、海に近い沖縄では、アルミニウムを含むめっき鋼材を使用することが推奨されます。また、火山ガスが含まれる場合には、55%以上のアルミニウムを含むめっき鋼材を選択する必要があることがわかりました。

*1: KG < MY < NH < NE < MB < IGの順で海から遠い

*2: MYのみ火山が近くにある

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