【R7-No.1】研究紹介:酸化モリブデンとマグネシウムとの反応を利用する酸化マグネシウムの生成と有機薄膜太陽電池用陰極中間層材料への応用

琉球大学 工学部 工学科 電子情報通信コース・准教授 景山 弘

(E-mail:kageyama@cs.u-ryukyu.ac.jp)

 有機薄膜太陽電池 (OPV) は、安価・軽量で大面積化が容易であるなどの特徴を有し、活発な研究が行われています。OPVは、有機薄膜が陽極および陰極で挟まれた構造を有しており、性能向上のためには、電荷発生層用材料の開発とともに、電荷発生層 / 電極界面を制御する中間層 (IL) 用材料の開発が重要な課題です。当研究室では、MoO3薄膜に金属Mgを蒸着する際の反応を利用してMgO陰極ILを作製し、それをOPVに応用する研究を行っています。本稿では、それらの一部を紹介します。

 図1 (a) に示すように、MoO3膜上にMgを蒸着することにより界面で酸化還元反応 (MoO3 + Mg → MoO2 + MgO) が進行し、MgOが生成することが示唆されました。また、陰極としてAlのみ、および、Mg / Alを使用する素子に比べて、MoO3 / Mg / Alを用いる素子は曲線因子 (FF) が向上し、結果として電力変換効率が向上することがわかりました [図1(b)]。

図1 (a) MoO3上にMgを蒸着する際の反応を利用するMgO陰極中間層作製のコンセプト.(b) 疑似太陽光照射下におけるJ-V特性の一例.

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