【R3-No.3】研究紹介:太陽光発電電力を活用した沖縄県における通勤時のCO2削減戦略

 沖縄県の発電方式は石炭火力発電が主流であり,発電時に多くの二酸化炭素を排出するため,他県と比較して二酸化炭素排出係数が高い特徴があります。また,自動車の保有台数が多く,通勤の多くにマイカーが利用されています。現在,マイカーの大半がガソリン車であり,これらを単に電気自動車に置き換えたとしても,その充電に必要な電力を石炭火力発電方式による電力を利用している場合は,根本的な二酸化炭素排出削減にはならないという問題があります。さらに,電気自動車はガソリン車とは異なり,エネルギーを充填するのに時間を要し,夜間に自宅で普通充電を行うか,急速充電器を備えた限られた充電ステーションの利用が必要であるなど,普及に対してのハードルは高いといえます。
 これらの課題を同時に解決する方法として,沖縄県内で通勤時の渋滞緩和の観点から導入が始まった「てだこ浦西駅」のパーク&ライド駐車場の屋上に太陽光発電システムを新たに構築し,駐車中(通勤移動時間を含む勤務中)にその発電電力を用いて電気自動車を充電する仕組みを検討しました(図1)。二酸化炭素削減効果の算出方法と結果では、これらの組み合わせにより,渋滞緩和だけでなく二酸化炭素排出の削減を図ることが可能となります。

図1 パーク&ライドを利用した充電ステーション

電気システム工学コース・教授 浦崎直光

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