【R4-No.9】研究紹介:平釜式・自動製塩機の開発

海水を平釜で煮詰めて作る塩は海水由来のミネラルを多く含み、“美味しい塩”として定評があります。しかし、その製造は高温多湿の室内環境において一昼夜をかけて人力で行われるため、重労働です。また、人力による製塩工程においては、固体不純物(毛髪など)の混入が避けがたく、不純物を取り除くために追加の手作業が必要となり、さらに人件費が嵩みます。そのため、人手不足と製品の高価格が課題となっています。沖縄県内にも、本島および離島などに20を超える小規模製塩所がありますが、経営者の高齢化に伴い廃業を検討している製塩所も多いと聞きます。

製塩工程を自動化すれば、密閉空間内での製塩が可能になり、重労働と不純物除去の作業が不要になります。これまで自動製塩機は開発されているのですが、それは立釜式と呼ばれる大型のものです。大変高価であり大規模な製塩会社のみに導入されています。

このような背景から、機械工学コースと工学部付属工場の共同プロジェクトとして、小規模製塩所製塩所にも導入可能な、低価格で小型の平釜式の自動製塩機の開発が進められています。平釜式の自動製塩機の本発明は、琉球大学帰属の知的財産と認定され、現在、琉球大学嘱託の弁理士の助言を受けて特許申請を準備しています。本プロジェクトは、沖縄イノベーション・エコシステム共同研究推進事業に採択され、2022~2024年度の3年間、研究助成を受ける予定です。本自動製塩機は、太陽熱およびバイオマス(ヤンバルの間伐材からの木質チップ等)を熱源として利用します。そのため、二酸化炭素の排出を大幅に削減でき、SDGsの達成に貢献します。

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